護衛騎士は聖女の教育係(男性不信)を一途に愛する
結婚披露パーティー
聖女リリアと第一王子デミルの結婚披露パーティーが行われる日がやってきた。
(うう、人が、男性が多い……)
聖女の教育係としてほとんどを聖女の部屋か王城内にある図書館、庭先などで過ごしているフィオナは普段あまり人が大勢いる場所に出向くことがない。そもそも婚約破棄されてからは、こうしてたくさんの貴族が集まる舞踏会やパーティーなどにはほとんど顔を出すこともなかった。
(華やかな席は苦手だわ)
ふう、と息を吐いて心を落ち着かせる。たくさんの人がリリアの結婚を祝うために集まったことは純粋に嬉しいが、あまりにも煌びやかな世界で頭がクラクラしてしまう。だが、クラクラしている場合ではない。今夜ここでリリアが狙われるかもしれないのだ。
(気を引き締めなくっちゃ)
そう思ってあたりを見渡すと、近くに人だかりができている。何だろうと見ていると、そこにはたくさんの令嬢に囲まれたヴィアがいた。いつもより上質の騎士服に身を纏い、いつも以上にキラキラとしたオーラを纏ったヴィアに、いつもは遠くから眺めているだけのご令嬢たちも我先にとヴィアのお近づきになろうとしている。
女性に囲まれたヴィアはいつも以上に真顔で、何なら少し顔が引き攣っている。
(普段は気にしていなかったけれど、ヴィアは確かにモテて当然だものね。でもすごく嫌そうだな)
女性が苦手と言っていたヴィアだ、心底つらい状況だろう。なんとかしてあげたい所だが、自分にはどうすることもできない。苦笑しながらその光景を眺めていると、ふと目の前に人影ができる。
「ご機嫌よう。あなたは、確か聖女様の教育係でしたね」
(うう、人が、男性が多い……)
聖女の教育係としてほとんどを聖女の部屋か王城内にある図書館、庭先などで過ごしているフィオナは普段あまり人が大勢いる場所に出向くことがない。そもそも婚約破棄されてからは、こうしてたくさんの貴族が集まる舞踏会やパーティーなどにはほとんど顔を出すこともなかった。
(華やかな席は苦手だわ)
ふう、と息を吐いて心を落ち着かせる。たくさんの人がリリアの結婚を祝うために集まったことは純粋に嬉しいが、あまりにも煌びやかな世界で頭がクラクラしてしまう。だが、クラクラしている場合ではない。今夜ここでリリアが狙われるかもしれないのだ。
(気を引き締めなくっちゃ)
そう思ってあたりを見渡すと、近くに人だかりができている。何だろうと見ていると、そこにはたくさんの令嬢に囲まれたヴィアがいた。いつもより上質の騎士服に身を纏い、いつも以上にキラキラとしたオーラを纏ったヴィアに、いつもは遠くから眺めているだけのご令嬢たちも我先にとヴィアのお近づきになろうとしている。
女性に囲まれたヴィアはいつも以上に真顔で、何なら少し顔が引き攣っている。
(普段は気にしていなかったけれど、ヴィアは確かにモテて当然だものね。でもすごく嫌そうだな)
女性が苦手と言っていたヴィアだ、心底つらい状況だろう。なんとかしてあげたい所だが、自分にはどうすることもできない。苦笑しながらその光景を眺めていると、ふと目の前に人影ができる。
「ご機嫌よう。あなたは、確か聖女様の教育係でしたね」