青いベンチ
「そりゃ、男子だけの戦いといえば学校恒例の…」

「騎馬戦?」

「当たり!」

「あれきらい。」

「信じらんない!あれは女子にアピール出来る最大の競技なんだからね。」

「そうだけど…だってどうせ俺、下になるじゃん。」

「かお君デカイからね。だから部活は?」

「バスケ部。だけどそれは関係ない!」

「じゃあ俊とあと誰かで組めば?」

「何で俊?」

「俊ならどうせ上でしょ?ちっちゃいし。」

「俊なら相性合いそうとか?」

「そうそう。」

その時、

「玲菜、今なんて言った?」

「え?俊ちっちゃいねって。ね?かお君。」

玲菜…あからさまに俊、機嫌わるい。

「そんなことより、騎馬戦決めるみたいだから速く行きな。女子は棒引きだから
うち行くよ。」

そう言って玲菜は走り去った。

「薫、りお好きなのに何で玲菜と一緒にいるの?」

俊…なんで。

「何で知ってるの?」

「会話聞こえた。」

「他の奴らは?」

「多分セーフ。お前ら小さい声で話してたから。」

「俊にばれちゃったか…」

「俺も、会話聞くまで気付かなかったよ。」

俊がかなり真剣な顔をしている。

初めてみたこんな俊。まさか…

「玲菜が好きなのか?」

「そうだよ。好きなんだよ。」

そうだったんだ…知らなかった。
「実は俺玲菜に相談してたんだ。りおの事。」

「そうだったんだ。だから祭の時…」

「ジュースの時はたまたまだったんだ。りおと俺をくっつけたのは玲菜の力だっ
たんだ。」

「そうか…なんかさ俺達カミングアウトの時間になったな。」

「俺達頑張ろうぜ!」

「薫はいいだろ。りおは彼氏いないし。」

「そんなことねーよ。りおは克巳の事忘れられないんだってさ、マジ傷ついた。


「玲菜なんか雄太がいるし。」

「もう少しで7ヶ月だしな。」

「矢田、加藤!何してんだ。速くこっちこい!」

「薫!行くか!」

「おう!」

そう言って走った。

俺らの想い人の為に頑張ろうな!俊。


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