色のない世界でただ君を見つめていたかった
カコ
俺は森田さんの話を聞きながら昔のさなを思い出していた
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さなは小学校4年の頃、父親である冬夜さんを亡くしている。俺と同じく余命宣告をされていたそうだ。
冬夜さんが亡くなる前よく一緒にお見舞いに行ったが、お見舞いに行く前に花屋をしていたさなの母親の暖子さんのお店で花を買っていた。
さなは花屋で働いている暖子さんをすごく尊敬していて、選んだ花束を綺麗にラッピングする暖子さんの姿を目を輝かせながらみていた。
冬夜さんの病室につき、さなが花束を冬夜さんに渡すと優しい顔で微笑みながら
「やっぱりさなといおりくんが選んでくれた花は元気が出るな」
と言ってよく俺たちの頭を撫でてくれた