色のない世界でただ君を見つめていたかった
冬夜さんが亡くなってから八代家は一変した。
暖子さんは花屋を辞めて生活費を稼ぐために朝も夜も仕事をするようになり、さなと暖子さんがはなすことはなくなった。
たまに会っても「勉強してるの?」「世の中そんな甘くないからね」と言われるばかりでまともに話を聞いてくれないと悲しそうな顔をしていた。
その時からさなは俺の家に来ることが多くなり、将来の夢の話をしなくなった。
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