色のない世界でただ君を見つめていたかった
気づけば日が傾き出していた。
病室にいてもやることがないので少し廊下を歩いていると同じクラスの裕翔と和也が歩いてくるのが見えた
2人は俺を見つけるなり焦った顔をして
「「おい、大丈夫なのか!?」」
と同時に俺に話しかけた
いつも学校話しているはずなのに二日ぶりに見た2人には懐かしさを感じ、つい口が緩んだ
「あぁ、大丈夫だよ検査入院だからあと二日で退院ってとこ」
「いおが…笑った……」
と2人は顔を引き攣らせながら俺を見た
しまった、、と思ったがもう遅い
「頭打っておかしくなったのか?」
などと言って俺の手を握ってくるかず
「んなわけないだろ、ってかくっつくな気持ち悪りぃ」
「ちっ、なんだ、いおがめずらしく俺たちに優しいと思ったのになー」
「なんでゆうとかずに優しくしなきゃいけないんだか、、じゃあな、俺そろそろ戻るわ」
と言いながら病室へ帰ろうとするともうちょっと話したいと目で訴えてきたので仕方なく病室に入れることにした
「で? ゆう と かず はなんでこの病院にいるの?」
「なんでって、なんでわからないんだよ」と、ゆう
「そりゃぶっ倒れた誰かさんを心配した心優しい俺らがお見舞いしにきたに決まってるだろ」と、かず
改めて2人をみると学校帰りにお見舞いに来てくれたのか制服姿だった
「へぇ」
「……って、それだけかい!なんかもうちょいないの?ありがとうとか言ってくれてもいいんだけど?」
「はいはい、ありがとうございます」
「全くいおは今も昔も素直じゃないなぁ」