悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「軽く唇を重ねるのだと聞いていたのに、もっと深くまで犯したくてたまらなくなった」

“それってルミール様が私に欲情したってことなの?”

 もっと深く、他の誰でもない私と口付けたいと思ってくれたのだと思うと泣きそうなくらいの感動を覚える。

「すまない、怖くは、なかったか?」

 申し訳なさそうに眉尻を下げてそんなことを聞かれ、きゅうっと胸が苦しくなった。
 
 不安そうな彼を見てゆっくりと首を左右に振る。

「怖くなんてありません。その、むしろ嬉しい、です」

 求められることも、それが貴方だということも。

「ルミール様、練習、しましょう?」

 そう告げてそっと瞼を閉じると、再び私たちの唇が重なる。
 私の背中に回していた彼の手が前に回り込み、噛みつくように口付けられながらゆっくりと胸が揉まれた。
 着替えた質の悪い服は公爵家で着ていたものよりごわごわとしていて、布地が厚い。
 そのせいか胸を逆に刺激し、私のもどかしさを誘った。

“早く脱がせて欲しい”

 だってここはそういうことをする場所だから。
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