悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「あ、ひゃんっ」

 自らボタンを外した服を彼の骨ばった長い指がはだけさせ、簡易の胸当てを引きずり下ろされるとふるりと胸がまろび出た。
 そのままやわやわと感触を確かめるように揉まれると、思わず息を詰める。

「嫌がることはしない」

“嫌なことなんて”

 そんな私にそう囁いたルミール様の人差し指が胸の先端を掠めると、私は小さく嬌声をあげた。

「ひゃんっ!」
「サシャはこうされるのが好きだな」

 私の反応をどこか楽しそうに眺めながら、あっさりと勃ってしまった乳首を彼の指先がピンッと弾くと、体がビクッと反応し私は背を思い切り仰け反らせた。

「や、つよ……っ」
「これは嫌じゃないだろう?」
「んんっ、やぁあっ」

 クリクリと執拗に敏感になった乳首を弄りながらそんなことを囁かれる。
 甘く掠れたその声が私の鼓膜を刺激し、ゾクゾクとした快感が体に走った。

“私が教える立場のはずなのに”

 だが彼はたった二回の実践と私の書いた指南書だけでこんなにも私を翻弄してしまうのだ。

 私が感じやすいのかとも思ったし、彼の覚えがいいのかもしれないとも思ったけれど。

“きっと、相手が彼だから”
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