悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~

15.構わないと、言ったのに

「サ、シャ?」
「ほ、ほらっ、こういう時は思っていなくても『俺も』くらい返すもんですよ! 円満な初夜のために!」
「あ、あぁ。そう、だな。そうだった」

 一瞬驚いたように目を見開いた彼が私の言葉に頷く。
 
「サシャ、俺も――んっ」

 そして言われるがまま口にしようとした彼の言葉を遮るように、彼を引き寄せ唇を重ねた。
 練習のための言葉なんて聞きたくないと思ったからだ。

“ルミール様が本番でこの言葉を口にする相手は私じゃないもの”

「……こうやって最中に口付けても効果的ですよ。どうですか?」
「理解した」

 誤魔化すためにした苦し紛れのその説明に納得した彼が再び口付けを降らせ、彼の手のひらが私の肌を這う。
 腹部を撫で、そのまま下がりドロワーズを一気に脱がされる。

 さっきは少ししか触れられていなかったはずなのに、既に蜜が滴っていることに気付き恥ずかしさから私は顔を逸らした。

「本当に可愛いな」

 楽しそうにそう溢したルミール様は、わざと音を響かせるように指先で浅いところを何度も擦る。
 その度にくちゅくちゅと☆な音が響き、私の顔が熱くなった。
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