悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 この部屋に入るまで少し乱暴なくらい性急な動きだったのに、まるで壊れ物のようにそっと寝かせられて胸が高鳴った。

“今から最後までするんだわ”

 さっきの余韻でまだ体は火照ったままの私は、少しの不安とそれ以上の期待でそっと彼を見上げる。
 そんな私と目があったルミール様は、部屋に入った時とは違い軽く啄むような口付けをくれた。

「ルミ……んっ」

 ちゅ、ちゅと唇同士が合わさり、下唇が彼の唇で食まれると、今度は舌が唇をなぞる。
 だが焦らすように口内へは侵入せず、もどかしい刺激だけを私へ与えた。

“どうして”

 もっと欲しいのに。深く深く彼の舌で犯されたいのに。

 彼からの熱を求め焦れた私が舌を伸ばし、彼の唇を割ると、まるでそれを待っていたと言わんばかりの勢いで舌が吸われる。
 舌が扱かれ、唾液を絡ませ合うと僅かに満たされた。

“でも、足りない”

 もっと欲しくて私も夢中で舌を動かす。
 彼の首へ回した腕に力を入れ体をぴったりと引っ付けると、その密着している体の隙間を縫うように彼の手のひらが動き私の胸をゆったりと揉んだ。

「あっ」
「脱ぎ方を見せて貰ったからな。学習したぞ」
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