悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
流石にお姉様たちを指名して来たお客様を流して貰う訳にはいかないのでしばらく待ち時間は発生するかもしれないが、それでもきっと今晩中には誰かが。そう思った時だった。
――コンコン、と扉を控えめに叩く音がし思わず後退った私がごくりと唾を呑む。
“来た!”
私の客。本当の客。
練習ではなく、娼婦として夢を売る瞬間がやってきた。やってきてしまった。
震える足を叱咤し、そっと扉に近付いた私は、極度の緊張から冷や汗を滲ませつつドアノブへと手を伸ばす。
そしてゆっくり開かれた、扉の先には。
「ルミール様!!?」
「サシャ、昨日は会えなかったが元気にしていたか?」
「なんでやねん!!!」
バターンッ、と思い切り勢いよく扉を閉めた私は現実を確かめる為にもう一度そっと扉を開く。
「どうした、何かあったのか?」
“当然のようにいるんですけどッ!”
何故だ。私は確かに「ルミール様が来られても通さないで欲しい」と伝えておいたはずだ。
それなのに何故彼が私の部屋の扉の前で平然と立っているのかわからない。
「サシャ、部屋に入りたいのだが」
「だ、ダメです! 絶対に入れません!」
――コンコン、と扉を控えめに叩く音がし思わず後退った私がごくりと唾を呑む。
“来た!”
私の客。本当の客。
練習ではなく、娼婦として夢を売る瞬間がやってきた。やってきてしまった。
震える足を叱咤し、そっと扉に近付いた私は、極度の緊張から冷や汗を滲ませつつドアノブへと手を伸ばす。
そしてゆっくり開かれた、扉の先には。
「ルミール様!!?」
「サシャ、昨日は会えなかったが元気にしていたか?」
「なんでやねん!!!」
バターンッ、と思い切り勢いよく扉を閉めた私は現実を確かめる為にもう一度そっと扉を開く。
「どうした、何かあったのか?」
“当然のようにいるんですけどッ!”
何故だ。私は確かに「ルミール様が来られても通さないで欲しい」と伝えておいたはずだ。
それなのに何故彼が私の部屋の扉の前で平然と立っているのかわからない。
「サシャ、部屋に入りたいのだが」
「だ、ダメです! 絶対に入れません!」