悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
その一言に呆然とする。
ずっと、いる? 練習が? それって、ずっと私で練習するってこと?
「……ハッ」
私から思わず乾いた笑いが込み上げる。
“お断りだわ”
彼の練習相手として、彼が少しずつ幸せな家族を作っていく姿を見続けなければならないなんて。
想像するだけでどんどん胸の奥が冷えていく。
もしそんな愚かな提案を彼の六番目の花嫁が許可したとしても、それを彼が望んだとしても私は絶対に嫌だと思った。
きっとお姉様たちならこの提案を喜んで受けたのだろう。
だって公爵家。金払いだって安心だし、乱暴や無理強いをしてくるわけでもない。
定期的に通い教えを乞うてくるだけの彼はかなり上客だ。
それでも私には違う。
だって私は彼を特別に想ってしまっていたから。
そしてそう想っていたのは私だけだったのだと改めて気付かされた私の瞳からぽろりと涙が一粒流れ落ちた。
「サ、シャ?」
私が泣いたことに驚いたのだろう。
戸惑ったように瞳を揺らした彼が、私に近付こうと一歩足を踏み出したことに気付き思わず叫ぶ。
「来ないで!」
ずっと、いる? 練習が? それって、ずっと私で練習するってこと?
「……ハッ」
私から思わず乾いた笑いが込み上げる。
“お断りだわ”
彼の練習相手として、彼が少しずつ幸せな家族を作っていく姿を見続けなければならないなんて。
想像するだけでどんどん胸の奥が冷えていく。
もしそんな愚かな提案を彼の六番目の花嫁が許可したとしても、それを彼が望んだとしても私は絶対に嫌だと思った。
きっとお姉様たちならこの提案を喜んで受けたのだろう。
だって公爵家。金払いだって安心だし、乱暴や無理強いをしてくるわけでもない。
定期的に通い教えを乞うてくるだけの彼はかなり上客だ。
それでも私には違う。
だって私は彼を特別に想ってしまっていたから。
そしてそう想っていたのは私だけだったのだと改めて気付かされた私の瞳からぽろりと涙が一粒流れ落ちた。
「サ、シャ?」
私が泣いたことに驚いたのだろう。
戸惑ったように瞳を揺らした彼が、私に近付こうと一歩足を踏み出したことに気付き思わず叫ぶ。
「来ないで!」