悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 肌に張り付いた布地越しにきゅっと摘ままれると、ジンと先端に痺れるような刺激が襲う。
 そのままくりくりと弄る彼の腕を掴んで睨むと、ふはっと吹き出したルミール様が私の服をそっと脱がした。

「からかったつもりはない」
「流石にわかってますよ」

 ムスッとした顔を作っていた私も、結局にこりと笑ってしまう。
 だって大好きな人との行為なのだ。これ以上に幸せな営みなどないだろう。

“しかも両想いだなんて”

 まさか娼婦の自分にこんな幸福が訪れるだなんて思わなかったので、その幸せを嚙みしめた。

「また考え事か?」
「ふふ、幸せだなって思っていたんです」
「そうか。俺もだ」

 私の回答に彼も微笑み返し、そしてゆっくり自身の服を脱ぎ捨てる。
 露になった彼の体は相変わらずがっしりとしておりしなやかな筋肉が美しいと思った。

 彼の腹筋をなぞるように触れた指先を動かすと、くすぐったかったのか彼もピクッと僅かに反応する。
 そんなところも愛おしい。

「悪戯は禁止だ」
「先に悪戯したのはルミール様ですけどね」
「だが、こうされるの好きだろう?」
「あぁっ」
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