悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 この仕事の依頼はあくまでも『出来るように』なること。

 出来るようになったかどうかはヤッてみなくてはわからない。
 けれど口付けは?

 その行為は必須の行為ではなく、あくまでも互いの気持ちを高めるための行為。
 そのことが私の中で引っ掛かり口にするのを躊躇わせたのだ。

“うぅーん、いいや! ここは飛ばそう”

 どうせ私もしたことはないのでお姉様たちから聞いた話でしか教えられない。
 もし公爵様がしてきたら拒否するつもりは一切ないが、あえて私から口付けるよう求めるのは違うと思い、そう自分に言い聞かせた。

“なら次は……、うん、胸よね”

 ひとつ工程を飛ばしいきついた答えを確かめた私は、なるべく冷静に説明するように口を開く。

「では公爵様、次は私のおっぱいに触れてみましょう」
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