悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 だが、私のちょっとどころか割りとこじつけな説明に自分なりの答えを出し納得したらしい公爵様は、何かを決意したようにぐっと両目を閉じた。

 そしてパッと見開き私を射貫くように見つめる。

「……理解した。恥ずかしいから、みっともないからと思うのはやめる。この行為は互いの為に必要であり、そしてそれこそが子作りのコツということだな!」

“うぅーん、ギリギリ及第点、かしら”

 出来れば六人目の花嫁が痛くないよう尽くし、この行為自体を幸せなものに、もう嫌な思い出として泣き帰るようなことにはならないようにしたいと言って欲しかったのだが。

「まぁでも、大事なことが伝わっているなら良かったです」
「大事なこと?」
「必要だ、ということです。気持ちよくさせるために、そして公爵様自身も気持ちよくなるために必要だと理解してください」

 私のその言葉に怪訝な表情を浮かべた公爵様。
 そんな彼の表情が、九つも年上の男性だなんて思えずやはり可愛く感じてしまった。
 
「俺自身も?」
「えぇ。無理やり挿入すれば女性側は痛く苦しく辛いし怖い」
「こ、怖い……」
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