悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
だがそんな煮え切らない様子の私に気を悪くすることもなく明るく笑った彼女がぐいっと私の手を引く。
「お散歩とかどうでしょう? 私、案内しますよっ」
「あ、じ、じゃあお願いします」
「はぁい!」
明るく話す彼女が連れてきてくれたのは、邸の裏にある庭園だった。
可愛らしい小さな花が至るところに植えられていて、まるで絵本の中に迷い込んだよう。
「綺麗……!」
「みんなで手入れしてるんですよ」
「皆さんで?」
「そうです!」
“普通は専属の庭師とかがやるんじゃないかしら”
私の疑問が顔に出ていたのか、ずっと明るい笑顔だったミリーが一瞬だけ困ったような笑顔になる。
「ここ、奥様が管理されていた場所なんですよ」
「あ……」
「土弄りがお好きな方で、私たちに言ってくださいって言っても気付けば奥様自身で植えたりして」
きっと彼女の言う『奥様』は、初夜で逃げ帰り離縁した公爵様の元妻たちのことではなく、きっと亡くなった先代公爵夫人のことだろう。
「素敵な方だったんですね」
「はいっ! だからあの時の景色を守りたいなってみんなでお世話してるんです」
「そうなんですね」
「お散歩とかどうでしょう? 私、案内しますよっ」
「あ、じ、じゃあお願いします」
「はぁい!」
明るく話す彼女が連れてきてくれたのは、邸の裏にある庭園だった。
可愛らしい小さな花が至るところに植えられていて、まるで絵本の中に迷い込んだよう。
「綺麗……!」
「みんなで手入れしてるんですよ」
「皆さんで?」
「そうです!」
“普通は専属の庭師とかがやるんじゃないかしら”
私の疑問が顔に出ていたのか、ずっと明るい笑顔だったミリーが一瞬だけ困ったような笑顔になる。
「ここ、奥様が管理されていた場所なんですよ」
「あ……」
「土弄りがお好きな方で、私たちに言ってくださいって言っても気付けば奥様自身で植えたりして」
きっと彼女の言う『奥様』は、初夜で逃げ帰り離縁した公爵様の元妻たちのことではなく、きっと亡くなった先代公爵夫人のことだろう。
「素敵な方だったんですね」
「はいっ! だからあの時の景色を守りたいなってみんなでお世話してるんです」
「そうなんですね」