悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
 くちゅくちゅと耳を攻めながら意識するのはもちろん先日私が弄られはしたない声をあげてしまった胸の先端だ。
 今こそ彼の閨係として師の技を見せ意趣返しする時ではないだろうか。

“そうよ、今しかないわ!”

 思わずごくりと唾を呑んだ私は、耳から離れる。
 そして愛撫が一区切りしたことでホッとした表情になったルミール様の夜着へと手を伸ばし、大きく左右に服を開いた。

「!?」
「男性だからって胸に触れられないとは限りません」

 そう断言して彼の胸へと手を伸ばす。
 おっかなびっくり彼の乳首をカリッと指先で引っ掻くと、「んっ」と僅かに彼の口から声が漏れる。

“可愛い”

 悪徳公爵相手に可愛いなんて最も不釣り合いな言葉だが、可愛く見えて仕方ないのだと高鳴る鼓動が証明しているようだった。

 もっとしたい。もっと反応を見たいし声を聞きたい。
 子供みたいだから、と戸惑う気持ちもわからなくはないが、今まで見た客たちがお姉様の胸を必死に吸っていた気持ちを改めて理解する。

“口付けたらどんな反応をするのかしら”
< 51 / 180 >

この作品をシェア

pagetop