悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「朝食は召し上がれそうですか? こちらにお持ちいたします」
「え!? ここ、公爵様の部屋なんじゃ」
「はい。お疲れだろうから、とルミール様からそう申しつけられております」
あんな状態の彼を放置し寝てしまった私を叱るどころか気遣ってくれたことに驚く。
“本当に知れば知るほど悪徳というイメージから離れる人だわ”
さっきまであんなに申し訳なさと情けなさでいっぱいだったのに、そんな彼のひとつの気遣いで私の心には温かいものがじわりと広がるようだった。
お言葉に甘え、彼の部屋で簡単な朝食をいただいた後は私に与えられた部屋へと戻る。
まだここに来て四日しかたっていないのに、なんだか戻ってきたという感覚になり私は思わず苦笑した。
“このまま慣れちゃまずいわね”
私はあくまでも彼の閨係として買われた娼婦。
その一線を見誤ると、後で痛い目をみるのは私だろう。
「ねぇ、私にも何か仕事を貰えないかしら」
「え?」
私の発言にイレナの琥珀色の瞳が見開かれる。
「え!? ここ、公爵様の部屋なんじゃ」
「はい。お疲れだろうから、とルミール様からそう申しつけられております」
あんな状態の彼を放置し寝てしまった私を叱るどころか気遣ってくれたことに驚く。
“本当に知れば知るほど悪徳というイメージから離れる人だわ”
さっきまであんなに申し訳なさと情けなさでいっぱいだったのに、そんな彼のひとつの気遣いで私の心には温かいものがじわりと広がるようだった。
お言葉に甘え、彼の部屋で簡単な朝食をいただいた後は私に与えられた部屋へと戻る。
まだここに来て四日しかたっていないのに、なんだか戻ってきたという感覚になり私は思わず苦笑した。
“このまま慣れちゃまずいわね”
私はあくまでも彼の閨係として買われた娼婦。
その一線を見誤ると、後で痛い目をみるのは私だろう。
「ねぇ、私にも何か仕事を貰えないかしら」
「え?」
私の発言にイレナの琥珀色の瞳が見開かれる。