悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
2.出来ないだなんて、まさかまさか
「ここが私の部屋……?」
“しかも一人部屋!”
てっきり他にも連れられた娼婦たちもいると思っていたのだが、ユクル公爵家に着いてまず案内されたのは、私専用だという部屋だった。
落ち着いた深草色で統一された家具はとても可愛らしく、置かれているソファもベッドもクッションもどれもふかふか。
床に敷かれているカーペットもふかふかなので、床でも熟睡出来そうなほどである。
「こんないい部屋を使ってもいいだなんて」
さすが筆頭公爵家。お金持ちのレベルが違うということなのだろう。
“つまり私は閨に呼ばれるまでここでのんびり過ごしていいってこと……!?”
そんな美味しい話があるのだろうか、と思わずごくりと唾を呑んだ私に声をかけたのは、娼館へと使いで来ていたあの初老の男性だった。
「改めてご挨拶させていただきます、私はユクル公爵家執事のアドルフと申します」
「サシャです。よろしくお願いします、アドルフ様」
「アドルフで結構ですよ」
「あ、じゃあ、その、アドルフさん」
“しかも一人部屋!”
てっきり他にも連れられた娼婦たちもいると思っていたのだが、ユクル公爵家に着いてまず案内されたのは、私専用だという部屋だった。
落ち着いた深草色で統一された家具はとても可愛らしく、置かれているソファもベッドもクッションもどれもふかふか。
床に敷かれているカーペットもふかふかなので、床でも熟睡出来そうなほどである。
「こんないい部屋を使ってもいいだなんて」
さすが筆頭公爵家。お金持ちのレベルが違うということなのだろう。
“つまり私は閨に呼ばれるまでここでのんびり過ごしていいってこと……!?”
そんな美味しい話があるのだろうか、と思わずごくりと唾を呑んだ私に声をかけたのは、娼館へと使いで来ていたあの初老の男性だった。
「改めてご挨拶させていただきます、私はユクル公爵家執事のアドルフと申します」
「サシャです。よろしくお願いします、アドルフ様」
「アドルフで結構ですよ」
「あ、じゃあ、その、アドルフさん」