悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「そうです! そうなんです!」

 だから私とするのは違うんです。
 そう暗に告げたつもりだったのだが、イレナたちから私へと視線を戻した公爵様の表情があまりにも真剣なものになっていることに気付き、私は嫌な予感がした。

“ま、まさか”

 ごくりと唾を呑み彼からの言葉を待っていると、ゆっくり口を開いた公爵様が告げたのは。

「ならば尚更、それも“練習”が必要なんじゃないか?」

 ……という、一言だった。
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