悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
「了解した、ではこの土地一番のドレスの店を……」
「いいえ、公爵様の服が見たいです」
「は?」
そのまま彼の腕を引っぱり、宝飾品店の店主に軽く頭を下げて店を出る。
そして待っていてくれた馬車の影に隠れながら人目を避けて細道へ入った。
「デートの練習だと言うなら、まず楽しいと思えることを探しませんか?」
「楽しいと思えること?」
「店に着いていきお金を払うことがデートじゃありませんので!」
貴族令嬢とのデートなんて、私じゃわからない。
教わってないのだから当然だ。
そして教わっていないことを誰かに教えるなんてもっと不可能だろう。
“だったらせめて、楽しいデートってやつを覚えて貰わなきゃ!”
そう思った私が彼を連れてきたのは、少し裏路地を進んだ先にある服飾店だった。
そこで質の悪い服を何着か選ぶ。
「サシャ、ここで何を……」
「はい、これ、着てみてください!」
選んだ服を彼へ押し付けるようにして渡すと、渋々着替えて出てきてくれた。
“筋肉が引き締まっているからこういう服も似合うなんて”
まさかこんな質の悪い服すらも着こなしてしまうとは、と驚き目を瞠る。
「いいえ、公爵様の服が見たいです」
「は?」
そのまま彼の腕を引っぱり、宝飾品店の店主に軽く頭を下げて店を出る。
そして待っていてくれた馬車の影に隠れながら人目を避けて細道へ入った。
「デートの練習だと言うなら、まず楽しいと思えることを探しませんか?」
「楽しいと思えること?」
「店に着いていきお金を払うことがデートじゃありませんので!」
貴族令嬢とのデートなんて、私じゃわからない。
教わってないのだから当然だ。
そして教わっていないことを誰かに教えるなんてもっと不可能だろう。
“だったらせめて、楽しいデートってやつを覚えて貰わなきゃ!”
そう思った私が彼を連れてきたのは、少し裏路地を進んだ先にある服飾店だった。
そこで質の悪い服を何着か選ぶ。
「サシャ、ここで何を……」
「はい、これ、着てみてください!」
選んだ服を彼へ押し付けるようにして渡すと、渋々着替えて出てきてくれた。
“筋肉が引き締まっているからこういう服も似合うなんて”
まさかこんな質の悪い服すらも着こなしてしまうとは、と驚き目を瞠る。