悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
だが公爵様が新鮮に驚き反応を返してくれるからなのか、その差が嫌ではない。
むしろ私には当たり前のものにいちいち驚き反応する彼が可愛くもあった。
「あ、そういえば公爵さ……んぐっ」
「“お忍び”なんだろう?」
私の唇に指を当てて言葉を止めた公爵様が、わざとらしく私の顔色を覗くように顔を近付ける。
その距離の近さに思わず私は息を呑んだ。
絶対私の反応を楽しみたくてやっているとわかっているのに、じわじわと顔に熱が集まり止まらないのが悔しくて――
「あー、ちゅーしてるー!」
「「!?」」
突然背後からそんな声が聞こえギョッとした。
「ちゅー?」
剣呑な表情になった公爵様が僅かに首を傾げ私の事をじっと見つめる。
流石にこの状況では誤魔化せそうにはなかったので、私は渋々口を開く。
「……口付けの、ことですね。角度的にそう見えたんだと思います」
「ふむ、口付け、とは?」
“え、まさかそこから!?”
不必要だろうと実践は意図的に省いてはいた。
だがそれはあくまでも子作り行為に不必要だと判断しただけで、彼が口付け自体を知らないというのは想定外である。
むしろ私には当たり前のものにいちいち驚き反応する彼が可愛くもあった。
「あ、そういえば公爵さ……んぐっ」
「“お忍び”なんだろう?」
私の唇に指を当てて言葉を止めた公爵様が、わざとらしく私の顔色を覗くように顔を近付ける。
その距離の近さに思わず私は息を呑んだ。
絶対私の反応を楽しみたくてやっているとわかっているのに、じわじわと顔に熱が集まり止まらないのが悔しくて――
「あー、ちゅーしてるー!」
「「!?」」
突然背後からそんな声が聞こえギョッとした。
「ちゅー?」
剣呑な表情になった公爵様が僅かに首を傾げ私の事をじっと見つめる。
流石にこの状況では誤魔化せそうにはなかったので、私は渋々口を開く。
「……口付けの、ことですね。角度的にそう見えたんだと思います」
「ふむ、口付け、とは?」
“え、まさかそこから!?”
不必要だろうと実践は意図的に省いてはいた。
だがそれはあくまでも子作り行為に不必要だと判断しただけで、彼が口付け自体を知らないというのは想定外である。