悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
というかバカな。そんなことがあり得るの?
この人私の九つ上でバツ5なんですけど。
「唇同士を引っ付けること、ですね」
「それをしたらどうなるんだ?」
「それは、その……」
“どうなるって言われても”
私だってまだしたことはない。
行為を盛り上げるためにしていることが多いし、覗き見ていた時は射精前に荒々しく口付けているお客様も多かった。
だが、行為中以外も恋人同士はしていることも知っている。
相手の言葉を塞ぐためにすることもあると聞いた。
――となれば、何のためにするのだろう。
「……き、気持ちいいんです」
「呼吸器官だぞ? 気持ちいいどころか苦しそうだが」
「呼吸は鼻でしてください」
驚く彼の言葉を雑に流し、説明を考える。
「愛し合う者同士が、相手を求める時によくします。普段も軽く口付けたり、気持ちを盛り上げ行為へ移りやすいよう深く口付けたり」
「深く?」
「舌同士を絡め合うんです」
“多分”
絞りだした理解度でなんとかそれっぽい説明を繰り出すと、その説明を聞いた公爵様が更に首を傾げた。
「指南書には書いてなかった」
「そっ、れは……!」
この人私の九つ上でバツ5なんですけど。
「唇同士を引っ付けること、ですね」
「それをしたらどうなるんだ?」
「それは、その……」
“どうなるって言われても”
私だってまだしたことはない。
行為を盛り上げるためにしていることが多いし、覗き見ていた時は射精前に荒々しく口付けているお客様も多かった。
だが、行為中以外も恋人同士はしていることも知っている。
相手の言葉を塞ぐためにすることもあると聞いた。
――となれば、何のためにするのだろう。
「……き、気持ちいいんです」
「呼吸器官だぞ? 気持ちいいどころか苦しそうだが」
「呼吸は鼻でしてください」
驚く彼の言葉を雑に流し、説明を考える。
「愛し合う者同士が、相手を求める時によくします。普段も軽く口付けたり、気持ちを盛り上げ行為へ移りやすいよう深く口付けたり」
「深く?」
「舌同士を絡め合うんです」
“多分”
絞りだした理解度でなんとかそれっぽい説明を繰り出すと、その説明を聞いた公爵様が更に首を傾げた。
「指南書には書いてなかった」
「そっ、れは……!」