悪徳公爵の閨係~バツ5なのに童貞だなんて聞いてませんッ!~
14.これは戯言だから
“任せてください! なんて言ったけれど”
そもそも口付けとは何なのか、と思わず首を傾げてしまう。
いや、理解はしている。
唇を重ねるのだ。
そして相手の舌と自分の舌を絡めるということも知っている。
時に唾液を交換し、歯列を舐めて相手の唇を食む。
呼吸は鼻でするということだって知っている、けれど。
“手はどこに置いたらいいの? 息を吸うタイミングは? どれくらいの時間唇を重ねておくのかしら”
書物ではそういった細かい描写はされていないし、ノースィルで覗き見ていた時はどうしても死角が出来て細部はわからなかった。
けれど私からの教えを待ち、大人しくベッドに腰掛けている公爵様が目の前にいる以上、やっぱりよくわかりませんとは絶対に言えない訳で。
「くっ、い、いきます!」
「あぁ、いつでも来い!」
勢いよくそう宣言すると、割りと勢いよく返事が返ってくる。
相変わらずムードなんてものはないが、私もそんなもの作れていないのでそのことには目を瞑った。
ベッドに腰掛ける公爵様の膝に座るように向い合せで私もベッドへと足を乗せる。
そもそも口付けとは何なのか、と思わず首を傾げてしまう。
いや、理解はしている。
唇を重ねるのだ。
そして相手の舌と自分の舌を絡めるということも知っている。
時に唾液を交換し、歯列を舐めて相手の唇を食む。
呼吸は鼻でするということだって知っている、けれど。
“手はどこに置いたらいいの? 息を吸うタイミングは? どれくらいの時間唇を重ねておくのかしら”
書物ではそういった細かい描写はされていないし、ノースィルで覗き見ていた時はどうしても死角が出来て細部はわからなかった。
けれど私からの教えを待ち、大人しくベッドに腰掛けている公爵様が目の前にいる以上、やっぱりよくわかりませんとは絶対に言えない訳で。
「くっ、い、いきます!」
「あぁ、いつでも来い!」
勢いよくそう宣言すると、割りと勢いよく返事が返ってくる。
相変わらずムードなんてものはないが、私もそんなもの作れていないのでそのことには目を瞑った。
ベッドに腰掛ける公爵様の膝に座るように向い合せで私もベッドへと足を乗せる。