えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 例え仮初めなのだとしても、まだまだ彼の側にいたいのだ。
 誰よりも期待され、誰よりも完璧でいなくてはいけない彼の中身を、誰よりも側で見ていたい。

 ただのジラルドを見ていてあげたい。
 幼い頃した約束を貴方はまだ覚えている?

「例え覚えてなかったとしても……」

 私は忘れない。
 これがエゴだとしても構わないのだ。

 だってこれは、私の『想い』なのだから。
 

「きっと、大丈夫です」

 怖いし不安だけれど、それでも助けに来てくれるという確信があった。

 大丈夫、きっと全て上手くいく。

 私はぎゅっと、ララの手を強く握ったのだった。
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