えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 彼の骨張った右手が揉みながら、尖った先端をきゅっと摘まんで捏ねられるとそれだけで快感が体を駆け巡った。

 思わずビクンと大きく腰が揺れるが、そんな私の腰をするりと撫でたジルの左手のひらが今度は下腹部を優しくなぞる。

「あ……!」

 既に愛液が溢れていることに気付いたのだろう。
 彼の喉がごくりと上下に動く。

「ルチア、可愛い……もうこんなにしてしまったんだね」
「や、言わないで……!」
「嬉しい」

 零れた愛液を指に絡めて、何度か入口をなぞった後にぬぷりと指が挿れられた。

“嘘……!”

 初めて触れられたその違和感とゆっくり指が挿ってくる圧迫感で息を詰める。

「大丈夫、まだ解してるだけだから」
「あ、――ッ、ぅんん……っ」
「ほら、こっちを意識して」

 意識して、と口にしたジルに首筋を吸われると、先ほど胸の上部に痕を付けられた時と同じチリッとした痛みが走る。

 鎖骨も、胸の横にも吸い付かれ、あっという間に私の体には赤い印がいくつも刻まれた。

「や、こんな、いっぱい……!」
「ん、でもほら、指は深くまで挿入ったよ」
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