えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 小さく舌打ちをしたジルは一瞬だけ表情を思い切り歪め、そして私を強く抱きしめる。

「大丈夫、僕が全部してあげるから」

 そしてそう耳元で呟き、私を抱えてそのまま会場から抜け出したのだった。
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