えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「君が本心から本当に望んだ時に、僕の想いを信じて受け入れてくれた時にしたいんだ」

 ハタハタと彼の涙が私の頬へと落ちて伝う。

 “温かい……”
 
 幼いあの日、瞳の色が反射して涙がカラフルな宝石になって溢れるのではと思ったあの時の答えを今知った。

 そしてそれと同時に、彼が紡ぐ愛が本物なのだと、私はやっと気付いたのだった。
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