えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「……嬉しい、待ってたの」
「そんなこと言うと我慢が利かなくなるんだけど」

 はぁ、とため息を吐かれるが、そんなため息すらも私に対する愛おしさが滲み私の心を熱く震わせた。

「もうする?」
「またそんな事を……、ダメだよ。ちゃんと解さないとルチアが痛いでしょう?」

“多少の痛みなんていいのに”

 だがそれを言ったところで意味などないだろう。
 何故なら彼は、私の事を何よりも大事にしてくれているのだから。


 優しく肌をなぞる彼の手のひらが太股に触れ、ゆっくりとまさぐるように移動する。
 そして既に湿りを帯びていた場所へと指先が触れた。

「もう濡れてるの?」

 くすりと笑う彼に抗議しようと思ったが、私が口を開くより早くジルの指がちゅくりと挿れられる。

 浅いところを指の腹が擦り、その度にビクビクと腰が跳ねた。

「あっ、んん、ジル……っ」
「可愛いね、ルチア」

 彼の甘い囁きが吐息となって先を掠め、少しずつ指が奥へと進んだ指がナカで曲げられたのかグリッと強い刺激が私を襲う。
< 214 / 262 >

この作品をシェア

pagetop