えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 そのままかき混ぜるようにジルの指が動き、口内に含まれた先端を甘噛みされた。

 二ヶ所へ同時に与えられる刺激が痛いと錯覚するほど気持ちよく、高められた快感が一気に弾ける。

 視界が白く染まり、ビクンと大きく体が跳ねるが愛撫を止める気がないのかジルが更に激しさを増して指を動かした。

 呼応するように私の口からも甲高い嬌声が溢れる。
 いつの間にか増やされていた指が動き、刺激を与えられる度に奥がもどかしく疼く。

“もっと欲しい”

 それはあの媚薬事件の時に切実に願ったのと同じ願いで、あの時とは違って私の意思によるものだった。

「もう、大丈夫だから……」
「ルチア?」
「ジルのが欲しいの」

 自分から告げることに若干躊躇いはあったものの、勇気を出して言ったその言葉を聞いたジルの顔があの夜とは違い赤く、そして喜色に染まったことで私まで嬉しくなる。

“ジルはこんなことで私を軽蔑したりしないもの”
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