えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 どんな自分も全て愛してくれるのだと知った今だからこそ、怖がることなく私も彼を求められるのかもしれない。

「痛かったら、すぐに教えて?」

 少しだけ心配そうにそう口にしたジルが、カチャカチャと小さな音を立てて前を寛げる。
 くち、とあてがわれたジルのモノは、指よりもずっと熱かった。

「――っ、……!」

 指とは比べ物にならないくらいの圧迫感が私を襲う。

 痛くないとは言えなかった。
 ギチギチと、まるで伸びない部分を無理やり引き伸ばすかのような鋭い痛みで思わず顔が歪んでしまう。

 苦しいし、異物感だって凄い。
 けど。

“ジルとやっとひとつになれたんだわ”

 この痛みこそがそれを私に実感させ、体中が熱くなった。

「ごめん、痛い、よね」

 ハッと短く熱い息を少し苦しそうに吐いたジルがそう問いかける。
 額に汗が滲ませながら、堪えるような表情で私を気遣ってくれていた。

 そんな姿にきゅうっと下腹部が反応する。

「……痛い」
「ご、ごめんすぐに抜――」
 正直にそう告げると、すぐに慌てだした彼が可愛くて堪らない。
 そんな彼を私はぎゅっと抱き締めた。
< 216 / 262 >

この作品をシェア

pagetop