えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「おかしいな、さっきの場で僕は彼女に二択を迫ったし、その二択はそもそも修道院か没落だったと思うんだけれど」
「えっ」

“そう、言われれば……?”

 完全に処刑一択だと思い込んでいたせいで折角の温情を無駄にするところだった私は慌てて頭を下げる。

 結果から言えばコルティ公爵家は処刑を免れ、妹も修道院へ入ることになったとはいえ家族の縁を切らなくてもいいことになった。

 しかもメルージラの研究の成果次第では、我が家に戻って来れるかもしれないというオマケ付き。

 この国の宝である神の愛し子、王家唯一の子であり王太子のジラルド様から加護というものを奪い、媚薬を盛るという罪まで犯したにしては余りにも甘すぎるその罰に、これでは流石に王家の顔が立たないと領地の三分の一を返還することを父が申し出、それが受理される形で今回の件は終わったのだった。
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