えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~

最終話:覚悟は、出来ました!

「やり直してもいいですか」

 王城からの帰り、コルティ公爵家まで送ってくれたエミディオにそう言われ私はすぐに頷いた。
 そしてそのまま彼を私室まで招き入れると、まだ扉の近くだと言うのに唇が奪われる。

「ん、んっ」
「ほら、鼻で息をするんです」
「ん、はぁ……っ」

 くちゅくちゅと口内をエミディオの舌が蹂躙するように蠢き私はされるがまま必死に舌を動かした。

 激しい口付けに夢中になっていると、いつの間にドレスの紐をほどいたのかバサリと着ていたドレスが床に落ちる。

「ぁっ」

 コルセットと胸当ての布、ドロワーズだけになった私をサッと抱き上げたエミディオが向かうのは私のベッドだった。

“……やっぱり慣れてるわよね?”

 この間のドレスを着せてくれた時のこともそうだし、口付け中のアドバイスもそうだ。
 そして口付けながらドレスを脱がされた私は、ベッドに座らされた途端に胸当ての布が引き抜かれ、コルセットから胸がまろび出てしまっている。

「あの」
「?」
「私は何人目……なのでしょう」
「はい?」

 思わずそう聞くと、意味がわからなかったのか怪訝な顔が向けられた。
< 255 / 262 >

この作品をシェア

pagetop