えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
“私だけ?”

「こ、こんなに上手いのに!?」
「そっ、れは、期待値が上がっていてなんか嫌だな。前回のことを言ってくれているならばあれは薬の影響が大きいと思いますけどね」

 あっさりそう言われるが信じられない。

「だ、だって今の口付けだって私とっても気持ちよくて……!」
「ふぅん? どうやら俺も思ったより好かれているみたいだな」
「っ!」

 ニマリと笑った彼にあっという間に組み敷かれドキリとする。

「言ったでしょう、責任を取るような行為を軽はずみにはしませんって。まぁ、気持ちいいと思ってくれているのは光栄だ」
「え、エミ――んっ」

 どこか楽しそうに笑った彼がすぐに口付けを落とす。
 舌を強く吸われ、私からはもうそれ以上言葉は出なかった。

 彼の腕がベッドと背中の間に入れられ、コルセットの紐がほどかれる。
 その器用さに驚く間もなくあっさりと脱がされた私は一気にドロワーズまでをも足から引き抜かれ、気付けば一糸纏わぬ姿になっていた。

「可愛いですね」
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