えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「くっ、フラージラっ」

 私の名を呼んだ彼のモノが奥で震え、熱いものが広がる。
 彼が私で達したことに満足感を覚えた私は、そのままゆっくりと瞳を閉じて――


「あと少し起きてて貰えます?」
「えっ」

 さらりと重ねられた言葉に驚き慌てて目を見開くと、にこりと笑顔を浮かべたエミディオと目が合った。

“笑っているのに眉間にシワが……”

 動揺している私に、こほんと咳払いをしたエミディオが真面目な顔を向ける。

「いいですか。何の影響もなく俺たちは今体を重ねましたね」
「え? えぇ」
「つまりこの行為には責任が伴います、自らの意思で行為に及んだんだから当然だ」
「そ、そうね……?」
「改めて聞きます。俺に、責任を取られる覚悟はありますね?」

“根に持ってるわ!?”

 まるで子供に言い含めるように一言一言口にした彼に思わず笑いそうになるが、ここで笑ってしまっては彼の眉間の皺が海のように深くなってしまうだろう。

 そう思った私は、必死に笑いを堪えて真面目な顔を作った。

「――はい、取られる覚悟は出来ましたわ!」
「寝てよし!」
「おやすみなさい!」
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