えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「やっ、言わな……っ、ひんっ!」

 楽しそうな声が耳元で囁き、きゅっと敏感になった乳首をつねられる。更にそのまま耳を齧られ、今まで感じたことのないぞわぞわとした快感で肌が粟立った。

“こんなの知らないわ……!”

 くりくりと敏感になった先端を捏ねられると、勝手にビクビクと体が跳ねる。
 まるで電撃でも走っているかのようなその刺激が私の脳を痺れさせて判断を鈍らせた。

「ジル、ジルと口付け、したい……っ」

 もっともっと、さっきみたいに引っ付いて交じりたい。
 その衝動に支配されるようにもぞもぞと体を動かし、彼の下でくるりと体勢を変えて仰向けになると、ルビーのような色がジルの瞳の奥に揺らめき私をじっと見下ろした。

「ジ……、あっ」

 彼が一瞬どこを見ているのかわからずきょとんとした私は、その視線の先を追って愕然とする。
 彼の眼前に、自分のおっぱいが晒されていることに気が付いたのだ。

“さっきの体勢のままだったら見られることはなかったのに!”

 露出させることには同意したが、見られるのとはまた意味が違う。
 しかも自分から彼の目の前に晒したのだから、恥ずかしさは倍増だ。
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