えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
 息苦しいくらい深く口付けられるが、それだけ求められているようで胸の奥に甘い熱が広がるようだった。

「んっ、あぁ……っ、きもち、い……っ」
「ッ、煽ってるって気付いてる……!?」
「煽ってなんか、ひゃんっ! あ、ぁあっ、や、摘ままな……っ! あんっ」

 口内を蹂躙されながら胸も揉まれ、乳首を捻るように摘ままれる。
 その強すぎる刺激にビクンと私の腰が大きく跳ねた。

 私の胸を揉む手のひらがするりと下がり、腹部を撫でる。

「……ァ……ッ」

 小さく漏れるその声は甲高く、まるで自分の声ではないみたいで戸惑ってしまう。
 何故だか無性に声が耳につき羞恥心を刺激された。

“はしたない声って思われたらどうしよう”

 堪えられるなら堪えたいのだが、彼の手のひらが体をまさぐる度に溢れて仕方ない。
 快感を刻まれるように未体験の気持ち良さを教えられ、体が作り替えられていくような錯覚を起こす。

 だが私の胸を締めるのは嫌悪ではなく喜びだった。

「ジル、もっと……っ」
「くっ」

 小さく呻いたジルの手のひらがドレスをたくしあげて太股を撫でる。
 ゾクゾクと快感が背筋をかけ上り体を捩る。
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