えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~
「つまり私は、私に対して当て付けるための道具を一緒に選びに行くってことですね……?」
公爵家という家柄に、強い加護を持つ美人のフラージラ様。
そんな彼女のライバルが、何も出来ない落ちこぼ令嬢の私だというのはおかしな話なのだが、しかし現状そうなのだから仕方ない。
「僕からの呼び出しがあったということにして断ろうか。いっそ釘を刺してもいいけど」
思わず考え込んでしまった私の顔を気遣うように覗き込んだジルがそう提案してくれるが、私は慌てて首を左右に振った。
「いえ! 大丈夫です、私行きますっ」
「えっ、行くの? 僕より彼女の方がいいってことじゃないよね?」
「えぇっ!? ち、ちが、というかそういう話じゃなくて!」
不満そうに唇を尖らせるジルのあざと可愛さにきゅんとした私は思わずジルを選びたくなるものの、そんな思いをなんとか振り切って彼を見上げる。
相変わらず七色に輝くオパールのようなその美しい瞳が、私を真っ直ぐ見つめていた。
「フラージラ様のこと、嫌いじゃなくて」
「え、それって好きってこと? まさか本当に僕より……」
公爵家という家柄に、強い加護を持つ美人のフラージラ様。
そんな彼女のライバルが、何も出来ない落ちこぼ令嬢の私だというのはおかしな話なのだが、しかし現状そうなのだから仕方ない。
「僕からの呼び出しがあったということにして断ろうか。いっそ釘を刺してもいいけど」
思わず考え込んでしまった私の顔を気遣うように覗き込んだジルがそう提案してくれるが、私は慌てて首を左右に振った。
「いえ! 大丈夫です、私行きますっ」
「えっ、行くの? 僕より彼女の方がいいってことじゃないよね?」
「えぇっ!? ち、ちが、というかそういう話じゃなくて!」
不満そうに唇を尖らせるジルのあざと可愛さにきゅんとした私は思わずジルを選びたくなるものの、そんな思いをなんとか振り切って彼を見上げる。
相変わらず七色に輝くオパールのようなその美しい瞳が、私を真っ直ぐ見つめていた。
「フラージラ様のこと、嫌いじゃなくて」
「え、それって好きってこと? まさか本当に僕より……」