えぇっ、殿下、本気だったんですか!?~落ちこぼ令嬢は王太子の溺愛を肉壁だと思い込んでいる~

9.これは第二ラウンドのはず

 悪夢のお茶会、及びジルとおやすみのキスをしたあの日から数日。
 思ったよりも早くに送られてきた買い物へのお誘いにより、私は今日二度目のフラージラ様との戦いに挑むこととなった。

 
「行きますわよ、ルチア様!」
「望むところです!」

 公爵家である私が迎えに行くものですわ、という宣言通り手紙に書いてあった時間ピッタリに迎えに来てくれた馬車は流石コルティ公爵家というか何というか、内装に宝石類を散りばめているらしくどこもかしこもキラキラとしていた。

“豪華だけど、これ眩しいわね……”

 馬車の窓から入る光がいちいち反射し、ちょっと目に痛い。
 慣れた様子で堂々と座っているフラージラ様は似合っているが、私は少し落ち着かないとそう感じた。

 
 そんな馬車にやっと少し慣れた頃到着したのは、城下街の中でも貴族御用達の高級店が並んでいる区画である。
 
「さぁ、まずは紅茶を探しに行きますわよ」
「まずは!? まさかその後もあるんですか!?」
「もちろんですわ。私の侍女に、ちゃーんと行くべき店を確認して来ましたもの!」
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