シークレットガーデンと意地悪なアイツ【新作】
その男性というのが、小中学校の同級生の中谷だったから。

中谷は、小学校の6年間ずっと同じクラスで、やたら私にちょっかいを出してくる奴だった。

中学生になってクラスが変わり、自然と話すこともなくなり、卒業してから10年、一度も鉢合わせることもなかったのに。

よりによって、こんなシチュエーションで再会するとは…。

破談になったことなど、同級生には一番知られたくない。

ましてや相手が中谷ともなれば、思わず構えてしまう。

「しばらくぶりだな。どうした?」

「どうしたも何も、なんであんたが此処に居るの?」

「10年ぶりに再会して、いきなり突っかかってくるなぁ…。なんでって、この庭園のオーナーだからだよ」

「え!?そうだったの?だって、いつもは女性が担当だったのに…」

ふと、あの女性も“中谷さん”だったと思い出す。
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