過去夢の少女
☆☆☆

それか放課後までの時間はすごく長く感じられた。

河村結夏がノコノコ出てくるとは思えなかったけれど、同じクラスなのだからちょっと強引にでも引きずっていけばいい。

放課後になるのがこんなに楽しみに感じたことは初めての経験かもしれない。
それから長い長い授業が終わり、ようやく放課後時間になった。
みんな思い思いに教室を出て行く中、河村結夏が１人で教室を出ていこうとする姿が見えた。

恵と目配せをして、すぐに後を追いかける。
そしてさっきと同じように河村結夏を挟むようにして歩き出した。
「あれ、仲直りしたんだ？」

クラスメートからそんな風に声をかけられたから、私と恵は満面の笑みを浮かべて「うん！」と頷く。

真ん中の河村結夏はずっとうつむいていたけれど、それを気にする生徒なんて一人もいない。
昇降口までやってくると、河村結夏の靴が変わっていることに気がついた。

あの後、結局見つけることができずに新しいものを購入したみたいだ。
それを見て心の中でほくそ笑む。
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