過去夢の少女
「なんで、こんなこと……!」
真っ赤な顔に涙が浮かべて見上げてくる。

「言ったじゃん。面白いものを見せてあげるって。ほら、面白いじゃん?」
私は泣いている河村結夏の顔も何枚か写真におさめて言った。

「こんなのヒドイ……」
ボロボロと涙をこぼし始める河村結夏に胸の中に苛立ちが湧いてくるのを感じた。

まただ。
こいつは自分のせいでイジメられていることを全然理解していない。

自分が被疑者だと思いこんでいる。
私は河村結夏の前にしゃがみこんでその頭を乱暴に撫でた。

「悲しい? 苦しい? 恥ずかしい? でもそれって自分のせいかもしれないよね?」
河村結夏が唇を引き結んで私を見つめる。

「被害者ぶるのやめてね?」
「あ、あたし……なにかした?」
「そうだねぇ。なにかしたから、こうなってるんだよ?」
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