過去夢の少女
優しく教えてあげたのに、やっぱり本人はわからないようで黙り込んでしまった。
まぁいいや。
お楽しみはまだまだこれから。

河村結夏を堂々とイジメられるようになったんだから、ジワジワと追い詰めてやればいい。

「とにかく、明日は飯田に近づかないようにしてね」
「え……?」
こいつの仲間になりそうなのは飯田ひとりだけだ。

その飯田から離れることで、こいつはクラスからまた孤立する。
「そうだ! 明日は飯田のことを罵倒してみせてよ?」

恵が面白いことを思いついてそう言った。
「それいいね! 面白そう」
「でしょう? みんながいる前で飯田をバカにしてみて?」

「そ、そんなことできない!」
左右に首をふる河村結夏は、また青い顔に変わっている。
「できない? 本当に?」

私は河村結夏にさっき撮影した写真を見せた。
< 116 / 186 >

この作品をシェア

pagetop