過去夢の少女
言いなり
最初からこうしていればもっと簡単に河村結夏を痛めつけることができたかもしれない。
そんな風に思いながら夕飯の準備をしていると、また肉をミンチにしてしまっていた。

河村結夏のことを考えているとどうにも力加減ができなくてダメみたいだ。
「あら、今日もハンバーグ?」

帰ってきたお母さんにそう聞かれて私は苦笑いで頷く。
「最近ハマってるんだ」

「そう。絵梨の作るハンバーグは最高に美味しいから、お母さんも大好きよ」
大好き。

私もだよお母さん。
お母さんが、大好きだよ。
< 118 / 186 >

この作品をシェア

pagetop