過去夢の少女
「え? なにを?」
「復讐をだよ。夢の中で事態が好転してるからって、やめるとか言わないよね?」

なぜ不安そうな顔になっているのかわからないけれど、私は左右に首を振った。
「もちろんやめないよ。中途半端なことはしない」

お母さんに起きた出来事のすべてが夢になって出てくるわけじゃない。
私が知らないことも沢山あるし、きっと知らないことの方が多いハズだ。

これくらいのことで復讐を止めようとは思っていなかった。
「よかった」

恵は心底ホッとした様子で微笑んだのだった。
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