過去夢の少女
☆☆☆

「あはははは!」
恵とふたりでトイレに駆け込んだあとは笑いが止まらなかった。
河村結夏も彼女たちもバカすぎる。

「あんなにうまくいくとは思わなかったね!」

恵も目に涙を浮かべてずっと笑っている。
笑いすぎてお腹が痛いくらいだ。

「あいつら、どうなるのかな?」
「さぁ? ただの喧嘩じゃないから最悪退学とか?」

そう答えたものの、そこまでの事態になるとは思わなかった。
「謹慎処分くらいにはなるかもね?」

それだけでも河村結夏への打撃は大きなものになるはずだ。
進学や就職のときまでつきまとうことになるだろうから。

「いい気味」
そう言って笑う私の顔が鏡に写っていた。
その顔はもはや人のものとは言えなかったけえど、私はまだ気がついていなかった。

< 151 / 186 >

この作品をシェア

pagetop