過去夢の少女
これくらいのことで不安になってしまうような経験をしたのかと思うと、やるせない気持ちになる。

だけど今の問題は河村結夏のことだ。
夢の中で私のお母さんは結香のお父さんにイジメられていた。

その事実が重たくのしかかってくる。
「別に、なんでもないよ」

「でも、なにか話をしてたよね? もしかして中学からの友達とか? それなら、私にも紹介してほしいな」

早口で言う恵に私はついため息を吐いてしまった。
それを見た恵が半歩後ろに下がって「うっ」と小さくうめき声を上げた。

恵の額から汗が吹き出し、顔色が悪くなっている。
「恵、どうしたの?」

ビックリして聞くと恵の口角がグニャリと歪んで持ち上がった。
無理やり笑顔を作っているのだと理解するのに少し時間が必要だった。
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