過去夢の少女
死ね。
ブス。
バカ。
学校くんな!

そんな乱暴な文字が机が真っ黒に見えるほど書き込まれている。
呆然としてその場に突っ立っていると、今度は大きな笑い声が聞こえてきた。

振り向くと真後ろに河村浩司がいた。
『お前、めちゃくちゃ嫌われ者じゃん』
河村浩司はそう言ってまた笑ったのだった。

今日の夢はこれだけじゃ終わらなかった。
こんな最悪な夢さっさと終わってほしいと思うのに、これには続きがあった

気がつけば時刻は放課後になっていて、今まさに先生が教室から出ていったところだった。

ようやく長い長い一日が終わった。
自分の机を見てみると、あのラクガキは綺麗に消されていた。

だけどきっと、誰も手を貸してはくれず、自分で消したのだろうということが予想できた。

私はすぐにカバンを持って教室を出た。
一緒に変える仲間もいないから、ひとりで昇降口へと急ぐ。

一刻も早くこの地獄の箱の中から出たくて、自然と早足になった。
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