過去夢の少女
ラクガキ
公園で話をしたあと教室へ入ってもまだ誰の姿もなかった。
一番乗りで教室に入ってこれたことにホッとしながらふたりで河村結夏の席へ向かう。

新調したばかりの机なのだろうか、私が使っているものよりも色が白くてツヤツヤと輝いているように見える。

それは誰かが意図的にそうしたものじゃないと理解しているものの、あの子がいい机を使っているというだけで胸の辺りがまたムカムカしはじめた。

その気持を発散するように私と恵はマジックを持つ。

そして河村結夏の机が真っ黒に染まるまで、誹謗中傷のラクガキをしたのだった。
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