過去夢の少女
☆☆☆

日曜日の夜も夢を見た。

不思議と金曜日、土曜日はなにも見ることなく過ごしたけれど、それは学校が休日だったからのようだ。

お母さんが高校時代の夢で、やっぱり河村浩司という生徒が現れた。

お母さんは夢の中ではいつもこいつやクラスメートたちに嫌な思いをさせられていて、笑っているところを見たことがなかった。

お母さんは1年A組の教室でポツンとひとり座っている。
誰にも話しかけられず、誰にも相手にされない。
それだけならまだ良かったのかもしれない。

時折聞こえてくるクラスメートたちの会話の中でお母さんは『テレクラをしている』と噂を流されていたのだ。

テレクラというのは今でいうパパ活のようなもので、要は男の人とデートをしてお金をもらうことだ。

その噂がどうして流れたのか夢の中ではわからなかったけれど、どうせ河村浩司が流したに決まっていた。

お母さんは真っ青な顔をしてジッとうつむいているばかりだ。
『ねぇ、あんたオッサンと寝てるの?』
派手な女子生徒が面白半分でそんな風に声をかけてくる。
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