過去夢の少女
だけど今は引きつった笑みを浮かべる飯田の方が見ものだった。
飯田は額に血管を浮き上がらせて河村結夏を睨みつけている。

「お前、嘘じゃねぇか!」
「ち、違う! あたしは、本当になにも!」
飯田はもう最後までは言わせなかった。

教室後方から河村結夏へ向けてポケットから取り出したなにかを投げつけたのだ。

それは河村結夏の頭に直撃すると同時に破裂して床に落ちた。

それが中身の入ったコンドームだということに気がついたのは少ししてからのことだった。
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